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電子記録債権とは?ファクタリングとの違いをわかりやすく解説!

電子記録債権とは?ファクタリングとの違いをわかりやすく解説!
ビジネスの資金調達で重要な「電子記録債権」と「ファクタリング」ですが、その違いを理解していますか?どちらも資金繰りを円滑にするための方法ですが、それぞれの利用方法やメリット、デメリットは異なります。自社の経営状況や資金ニーズに応じて適切なツールを選ばないと、無駄なコストや手間を生むだけでなく、資金繰りの悪化を招く可能性もあります。この記事を通じて、これらの基本的な違いや仕組みを簡単に解説し、最適な選択のための知識を提供します。
電子記録債権とは?
従来の手形取引では、紙による発行・受け渡し・裏書などの物理的な手続きが必要でした。現金化までの期間が長いという問題があり、特に約束手形の場合、商品やサービスの提供後に数ヶ月間現金を受け取れないことが資金繰りに大きな負担をかけていました。さらに紙の手形・小切手の使用には、郵送料や印紙税などのコストがかかり、紛失や盗難のリスクも伴います。手形・小切手は紙の有価証券であり、業務のデジタル化・DX化が進む現代には向かない決済方法とされ、紙を使用する点だけでも、社会全体で年間約2,024億円のコストが発生しており、電子化による経済効果が大きいとされています。こういった背景から2026年度末までに小切手の利用が廃止される予定です。
電子記録債権とは、紙の手形や売掛金のような「金銭債権」を、電子的なデータとして記録・管理する仕組みを指します。これは、2008年に施行された「電子記録債権法(電子記録債権に関する法律)」に基づいて創設された制度で、商取引のデジタル化を支援し、資金決済やファイナンスの効率化を目的としています。電子記録債権では、指定を受けた「電子記録機関」によって、債権の発生や譲渡などがすべて電子的に処理されます。これにより、手続きの簡素化や偽造・紛失のリスク回避が可能になりました。
主な特徴
- ペーパーレス化:紙の手形や請求書が不要になり、業務効率が向上。
- 即時性:発生・譲渡・消滅などの記録が即時に完了し、タイムラグが発生しません。
- 安全性:電子記録機関のシステムにより、改ざんや二重譲渡のリスクが防止されます。
- 資金調達への活用:電子記録債権は、ファクタリングや担保としても利用可能であり、中小企業の資金繰り支援にも役立ちます。
ファクタリングとは?
ファクタリングとは、企業が保有する売掛債権(未収入金の請求書)を専門のファクタリング会社に売却することで即座に資金化できるサービスです。企業が資金繰りに困る際、通常の融資よりも迅速に資金を調達する手段として利用されます。例えば、ある企業が大手の取引先からの支払い待ちの間に、仕入れの資金が必要な場合、ファクタリングを利用することで最短即日に現金を手に入れることができます。このような状況では、通常の銀行融資やビジネスローンでは審査や手続きに時間がかかり、急な資金需要に対応できないことが多いため、ファクタリングのスピードが非常におすすめです。ファクタリングは、スピーディーな資金調達が求められるビジネスシーンで非常に有効です。特に中小企業やスタートアップ企業にとっては、資金繰りの遅延が事業運営に深刻な影響を及ぼすため、すぐに現金を必要とする場合の強力なサポートとなります。このような理由から、ファクタリングは資金調達手段の一つとして広く利用されています。
ファクタリングの形態
ファクタリングには大きく2種類の形態が存在し、「償還請求権なし型(ノンリコース)」と「償還請求権あり型(リコース)」に分類されます。
償還請求権なし型ファクタリング(ノンリコース)
償還請求権なし型ファクタリング(ノンリコース)とは、売掛債権が万が一回収不能となった場合でも、売掛債権を譲渡した企業(利用者)がその責任を負わない方式です。つまり、取引先が倒産しても、利用企業がファクタリング会社に対して返済義務を負うことはありません。この形式は、売掛先の信用リスクをファクタリング会社がすべて引き受けるため、企業にとってはリスクを大幅に軽減できるのが大きなメリットです。ただしその分、ファクタリング会社が負うリスクも高くなるため、手数料は割高になる傾向があり、債権ごとの審査も厳格です。
償還請求権あり型ファクタリング(リコース)
償還請求権あり型ファクタリング(リコース)とは、万が一売掛債権が回収できなかった場合、売主である利用企業がその返済責任を負う契約形態です。取引先が支払いを怠った場合、ファクタリング会社は利用企業に対して支払った資金の返還を請求することができます。この方式はファクタリング会社にとってリスクが少ないため、手数料が低く設定されるのが一般的です。また、審査も比較的スピーディーに行われるため、即日資金化を求める企業にとって適しています。
このように、ファクタリングを活用する際は、自社の資金繰りの緊急度やリスク許容度、取引先の信用状況などを踏まえ、どちらの方式が最適かを見極めることが重要です。資金調達だけでなく、企業の信用リスク管理や経営戦略の一環としても、ファクタリングの選択は大きな意味を持つのです。
電子記録債権とファクタリングの違い
電子記録債権とファクタリングは共に資金調達方法として利用されていますが、その仕組みや目的に違いがあります。電子記録債権の場合、債権を譲渡する企業は取引先から譲渡債権の支払いが行われなかった場合、原則、取引先に代わってその債務を保証しなければなりません。これは保証債務と呼ばれ、この保証債務を原則として債権を譲渡する企業が負う必要があります。そのため、電子記録債権では、貸し倒れリスクは移転できません。
一方、ファクタリングは債権をファクタリング事業者に譲渡したあとは、債務を保証する必要はありません。保証債務はないものの、その分の手数料をファクタリング事業者に支払うことになります。そのため、ファクタリングは、貸し倒れリスクの移転可能です。
このような違いから、電子記録債権は主に資金回収を自ら管理したい企業、および手形や現金などの使用を最小限に抑えたい場合に適しています。ファクタリングは、早急に現金が必要な場合や、債務者からの回収リスクを軽減したいという目的で選択される手法です。
2つの方法はそれぞれの目的や経営状況、資金調達のニーズによって選択が求められるため、仕組みを理解した上で適切な方法を採用することが重要となります。
電子記録債権のメリット
電子記録債権には、管理の手間を減らし、安全性や柔軟性を高められるなど、紙の手形にはない利点が多数存在します。電子データ化により、発行や受け取りの手間を大幅に削減できるうえ、管理ソフトやオンラインシステム上で一元管理がしやすい点が特長です。紙の手形と比べて書類のやり取りが少なくなるため、企業の事務工数を削減し効率的に業務を進めることができます。また、盗難や紛失といった紙媒体に特有のリスクが低く、分割譲渡も容易で現金化しやすい点もメリットと言えるでしょう。電子記録債権の譲渡状況はシステム上で一目で把握できることから、重複譲渡の心配も抑えられるのが強みです。ただし、電子記録債権を扱うためにはシステム利用料や登録料などがかかる場合があります。しかし、継続的に大量の売掛金を扱う企業であれば、中長期的に見ても管理効率の向上によるメリットのほうが大きくなるケースが多いでしょう。
1.事務負担の軽減
現物手形は発行や配送など事務処理に多くの時間とコストがかかっていました。電子記録債権を利用することで、事務負担を軽減させることができます。支払期日には取引銀行の口座に自動入金されるため、面倒な取立てなど不要であり、入金当日から資金を利用することが可能です。
2.管理のコストカット
電子記録債権を利用することで、手形取引における管理コストを削減できます。振り出す際に額面に従った収入印紙を貼付しなければならない紙媒体の手形と異なり、電子記録債権は印紙税が課されません。また、手続きにあたって郵送が不要なため郵送費用も削減できます。さらに、オンライン上で管理されるため、管理コストも削減できるでしょう。
3.盗難リスクの防止
現物手形を扱わないため、盗難や紛失のリスクを抑えることができます。
紙媒体では、厳重に管理・保管しなければ紛失や盗難する心配がありますが、電子記録債権はペーパーレス化されるため、紛失や盗難の心配はありません。
4.分割譲渡が可能
電子記録債権を利用することで、必要分のみ分けて譲渡・割引などに活用することができます。紙媒体の手形では分割譲渡することはできないのため、電子記録債権特有の大きなメリットともいえるでしょう。
5.二重譲渡の防止
電子記録債権を利用することで、債権の二重譲渡を防ぐことができます。
売掛債権では、債権譲渡登記など活用しなければ、架空債権売却や売却済みの債権を二重譲渡されるリスクがあります。しかし電子記録債権では二重譲渡などのリスクを避けることができます。
電子記録債権のデメリット
電子記録債権のデメリットには、導入や利用におけるコストが挙げられます。システム環境を整えるための初期費用や、登録機関への登録手数料、さらには運用に伴う経費などが定期的に発生します。これは中小企業や個人事業主にとって、大きな経済的負担となる可能性があるため、導入前にはこれらの初期費用や運用コストを十分に検討することが必須です。
また、電子記録債権の運用には、システムやその操作に関する技術的な知識やスキルが求められる点も重要な課題です。従来の紙ベースの取引や請求書に比べ、システムエラーやデータ入力ミスによる利用障害が生じる可能性が考えられるため、操作の仕組みを理解し、適切に運用する必要があります。
売掛先も電子記録債権を利用している必要がある
電子記録債権を利用するためには、売掛先も同じく電子記録債権の仕組みを導入している必要があります。電子記録債権は、電子債権ネットワークを通じて債権の発生や譲渡を記録し、取引を遂行するシステムです。このシステムの特性上、売掛先が電子記録債権に対応していない場合には、電子的な記録のやり取りができません。そのため、電子記録債権を導入する際には、売掛先が同様の仕組みを利用しているかを事前に確認することが欠かせません。自社と売掛先が電子債権ネットワークにアクセス可能であり、必要な契約が取り交わせることを確認した上で、スムーズに運用できる体制を整える準備が重要です。
電子記録債権を選ぶポイント
電子記録債権を選ぶ際には、自社の資金繰りや取引の特性を踏まえた選択が重要です。この選択が誤ると、効率的な資金調達や決済手段の利点を最大限に活用できないだけでなく、企業活動全体に悪影響を与える可能性があります。電子記録債権は、スピーディな資金化や取引の透明性向上に寄与します。しかし、その利用条件や手数料体系は金融機関によって異なり、取り扱い条件が厳しい場合があるため、自社の経営状況に適しているかを慎重に確認する必要があります。さらに、取引先の導入状況も考慮に入れる必要があります。もし取引先が電子記録債権に対応していない場合、この仕組みを用いた資金調達はできません。自社の状況に合致した電子記録債権の選択は、資金調達や事務効率化の成功において極めて大切です。取引金融機関への問い合わせや専門家との相談を通じて、自社と取引先双方のニーズを満たせる選択をしましょう。
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